中年男性の見た目ではあるが、この解釈では一番の新参者。
オリガミ職人が島で暮らすようになってから買い与えられたモノで、本人も職人との思い出は少ない。
ある時、一色の色鉛筆が転がってしまった時に、机と壁の隙間から、埃を被った自分と違うメーカーの色鉛筆を発見した。
職人は物をよく失くしてしまう人物で、探すのを諦めた末に自分が買われたのだろうと悟る。
そうして自分も失くされないよう注視しているうちに意志が芽生え、覚醒した。
自分の色鉛筆は無事に拾われたが、以前から隙間にいた色鉛筆が職人に見つかることはなかった。
オリー王から動力を与えられてヒトの姿になった時は、ミハラシタワーのエントランスに記念としてオリーの肖像画を描いたが、ハリボテ兵に食べられてしまった。絵を描く場所は選ぶべきであることも学んだ。
12色のミサイルにも意志があり、それぞれヒトの姿へ変身することも可能。新品の頃はスーツ姿の青年の見た目をしているが、使うほどに体は小さくなっていき、思考も幼くなる。
ヒトへの変身はほとんどないが、稀にイロエンピツが彼らにデッサンモデルを頼むことがある。基本は無口で、イロエンピツの命令には素直に応じる。
職人が色鉛筆をケースから出し入れするのを面倒くさがってわゴムで束ねたことがある。
それ以来、わゴムとは何かと縁があり、一緒にいることが多くなった。モノなので言葉を交わすことはなかったが、ヒトの姿で出会った時には既に夫婦のような親密な関係となっていた。
他の軍団員からも二人の仲睦まじい関係は認知されているものの、それがいかに価値のあるものかという点については理解されていない。
本物の人間に対して強い羨望は無い。しかし、もし自分たちでも家庭が築けたらそれはどれだけ尊いことなのだろうとよく話している。
火薬の匂いが好きだからと、パンチにもよく目をつけられる。集中して絵を描いている時に限って近づいてくるため、ミサイルを放って応戦している。
パンチも、興味があるのはミサイルのほうなので、イロエンピツ自身よりもそちらを追いかけるようだ。一度ミサイルを射出したまま放置していたら、しばらくして彼らはダンスを少しだけ覚えて帰ってきた。
せっかくヒトになったのだからと自分にヒトっぽい名前をつけてみたが、全く定着していない。
オリーに至っては「イロエンピツ」という6文字すら覚えられているか怪しい。パンチからは「ジャン」と略されているが、それはヒトっぽいので悪い気はしない。でも、フルネームを覚えておいてほしい。
よく鼻歌を歌いながら絵を描いているが、たまに音程が外れている。
兵器を背中に埋め込んだ赤い戦艦。12色の色鉛筆が弾丸となってどこまででも飛んでいく。
色鉛筆そのものにも意志があるので、ターゲットへの追撃も行える。砲台の重さはカート一台分ほどあるが、色鉛筆たちと支えているためそこまで重くは感じないらしい。
色鉛筆がなくなるとバランスを崩して倒れてしまう。
塔の上に降り立った天使。指揮を執り翼の羽根をミサイルとして放って自由自在に操る。
指揮棒を振ればその方向へミサイルがしなやかに曲がり、相手を確実に捕らえる。
しかし、音楽は彼の頭の中で奏でられているだけで、演奏者もいなければスピーカーも無い。戦場には爆発音だけが響く。
より近距離で強力なミサイルを撃てるようになった駆逐艦。メカニックなゴーグルは相手を常に的ととして捉えて光り続ける。
必殺技を使う時は艦がまるごと回転して突っ込んでくる。その破壊力は簡単に建物が一つ消し飛ぶほど。
彼自身が動くことはほとんどなく、艦の硬いボディが身を守る。本体の戦闘能力は無いかと思いきや、近づけばこれまた硬いブーツで蹴飛ばしてくるので厄介。
達人の域に達した芸術家。鍵盤のような翼を大きく広げて鋭い光を放ち、機動力を得た。羽ばたくことで強い風を起こすこともできる。
立派な翼だが、重いので彼自身が空を飛ぶことはない。そして彼も別に空を飛びたいとは思わない。絵が描きづらくなるだろうから。
絵を描くこと、それを邪魔する者を排除すること、以上ができれば他は何も要らない。