好きな時に好きな格好をしている変幻自在の文房具。
音楽鑑賞が好きだがクラシック系を好むため、パンチとは趣味が合わず対立している。
OEDOランドのことはキノコ島にいた頃から知っていた。ラジオから流れる独特な楽器の音色に聞き入っていくうちに、いつしか自分もその世界の住民になりたいと思うようになった。
ブンボー軍団となって各地へ配属される際にOEDOランドを志願。オリー王も特にこだわりはなかったようなので、すんなり聞き入れてくれた。
大劇場で演劇に触れたことで、自己を表現する力も、またそれを隠す力も豊かになっていった。
基本的には清楚でおしとやかな女性の見た目をしているが、時折見せる荒っぽい口調から本性は丸見えである。
短気で怒りっぽいため、ホッチキスからは腫れ物に触るような扱われ方をされている。その一方で、セロハンテープからは「姉貴」と呼ばれ慕われている。
「〜ヨン」という語尾も、愛想を振る舞っている時に使われるだけで、感情が昂るとそれも忘れてしまう。そうしてたまに、とってつけたように「ヨン」と言う。
もっと演技に対してストイックになりたいのだが、こんな自分なので"主役"には程遠いなと苦悩している様子。能力で見た目をどんな風にしたところで、性格や中身までが変わることはないのである。
無個性な自分にコンプレックスを抱いたままとオリーから力を与えられたので、ヒトの姿になった時もそのまま反映された。
スレンダーな体に可愛げのない目つきは嫌いだったが、まさしくこれが自分であるということを受け入れている。
背が高いのも悩みのひとつだが、中途半端でいるよりは、今の自分をいい方向へ伸ばそうと意識している。
本当は、自分は可愛いほうでありたいと思っている。敵に囚われてしまえば誰かが助けにきてくれるようなお姫様に憧れている。
しかし実際は自分を捕らえた敵を返り討ちにする力を持っているため、非力なヒロインにはなれない。
また、現実の王女も勇敢な女性なため、自分の考えているお姫様は御伽話の中だけの存在なのかも知れない、と半ば諦めている。
イロエンピツからは、まっすぐな想いを伝えられており、初めは複雑な気持ちだった。
関係が深まるにつれ彼の気持ちが本物であることや、彼にもまた多くの魅力があることに気づいていくうちに、素顔を出すことに躊躇いがなくなっていった。
歌を覚えたのは赤いカミテープの消失以降。イロエンピツを弔うために歌ったのがはじまりだった。
素敵な歌声ですね、と近くにいた青いキノピオが話しかけてきたのだ。
今まで自分のことがあまり好きではなかったが、思うほど自分は悪くないのかも知れない、と感じるようになる。
そして、無個性なのは自分ではなくそちらのキノコ族なのだ‥‥と少しずつ感覚が歪んでいくのだった。
特に気に入っている姿。ふくよかなボヨヨンボディで自分の本来の姿を覆い隠している。ゴム製の肉体なので防御力が高く、ちょっとやそっとの衝撃には耐えられるのだが、引っ張られる力には弱い。
武器の扇子にゴムをひっかけて打ち込んでくる。扇子で直接切り刻むこともできるが、それは野蛮だからといってやらないようだ。あくまで踊るための姿なので、戦闘スタイルはおまけで身につけているだけである。
素顔を解放し、本来の姿を活かしたスタイル。複数のハリボテ兵を使役することで自分を主役級に際立たせている。自らが前に出て戦うのではなく、後ろから支援するほうに長けている。
ダメージを受けて傷ついても、魔法で肉体を再生させることも可能。ただしハリボテ兵は回復させられない。破壊されたものは夜な夜な手直しで元の姿に戻すらしい。白鳥の湖に使うハリボテヘイホー軍団は、美しいダンスの技術も与えられた自信作。
守備力を高めた壺装束を身に纏った姿は、まるで強かさを表現した可憐な生け花。ゴム鉄砲も流れるように打ち込んでくるため反撃の隙を与えない。
剥がれ落ちた肉体は渦を作って呼び戻される。その様もまた芸術的でついつい見惚れてしまわぬよう。その美しさに気を取られてしまえば、足元のトラップからは逃げられない。
ただ、やはりあくまで戦闘はおまけなので、積極的な攻撃方法は取らないようだ。
TYPE:Bの上級職。役者一筋に極め続けて手に入れた風格。自信に満ち溢れたその姿から、かつての彼女の面影は無い。
杖をひと振りすれば、数多のハリボテ兵が彼女の命令に従い、相手に猛攻撃を喰らわせる。彼女自信も接近戦を得意とし、杖は鈍器のようにして振り回してくる。
すべての武器を取っ払われても決して背中は向けず、最後まで戦い抜く、勇敢な役者魂を持った文房具である。