人間のような体はただの入れ物で、真っ二つに割れたところから鋭い二股の刃を出して攻撃する。
ただ、これをやると服(ケース)に傷がつくおそれもあるため、普段の小さなオリガミを切る際は指でチョキの形をつくって切っている。
体の中は赤く塗られているだけで、骨や内臓などというものは無い。
切り絵兵はもともと魂の宿った黒い画用紙に切り込みを入れただけの存在で、どの個体も同じ精神が共有されている。
自分をいろんな姿に変えてくれるハサミを慕っているようだが、ハサミにとっては縄張りを広げるために使える都合のいい道具にすぎない。
黒い手がじゃんけんをしようとパーを出してきた時は、襲ってくるのかと思い反撃するために指で切ろうとした。
黒い手はチョキを出されて敗北したが、じゃんけんをしてくれたことに大層喜んでいた。
ハサミにはまだじゃんけんのルールがわからない。
見た目は紳士的な風貌だが、その外見から想像もつかないほどに深い闇を秘めており、実際はサディストでサイコパス。
他人の苦しみや痛みを理解することはできないが、その姿を見ることで満足感を得ている。
実際、自身の痛覚に対してもかなり鈍く、傷がついたことに気づくのには時間がかかる。
優しく微笑む姿も相手を油断させるための防衛手段であり、実のところ相手のことは「切れるか、切れないか」としか考えていない。
わゴムにはその本性を見破られているが、特に気にしていない。紙ではない彼の切れ味はいかほどのものかと思案を巡らせている。
いつか切ってやりたかったが、それももう叶わなくなった。
以降、切りたいものは切れる時に切ることを決意。わゴムを倒した男が目の前に現れるのを心待ちにしている。
本能に従う狂戦士。敵を狂乱の渦に巻き込み、肉体から這い出た2枚の刃で相手を挟み、八つ裂きにする。
後先は考えず乱暴な戦闘方法のため、戦いのあとは無駄に崩れ落ちた瓦礫やら惨たらしい残骸やらが散乱している。
すべての生き物を実験材料だと思っているタイプの科学者。
切った紙の材質や絵柄に応じて攻撃方法が異なり、かまいたりのような旋風も巻き起こせれば、暗闇のように湿った重苦しい空間を作り出すこともできる。