オリガミ職人のもとへ一番最初にやってきた文房具。
幼少期に職人に購入されてからずっとキノコ島で暮らしてきた。
色に対して興味が薄すぎる職人に、色の名前と区別の仕方を少しずつ教えている。
職人も色を通してこの世界の美しい部分を汲み取ろうと努めている。
しばらくは職人と二人暮らしで、モノとしてそれなりに幸せに過ごしていたのだが、
わゴムを筆頭に次々とモノが工房へ訪れるようになったことで、
職人との時間は減っていった。
テレサの一族として生まれたので、他より目がいい。夜目が少し効き、色彩感覚にも優れている。
"施設"から優等生として卒業した彼は、モノとして人間のもとで働けることに喜びを感じており、
職人に購入された際は笑顔を隠し切れなかった。
まさか職人があまりにも色に興味がなく、その色彩感覚も個性的だったことには圧倒されたが。
そのため、オリガミ工房では、デザインや色彩設計の協力をしている。そして、いつか訪れるであろう世界との衝突に備え、戦闘の準備も行っている。
ブンボー軍団の司令塔として期待されており、自身も便利な道具として活躍できるよう日々肉体を鍛えている。
戦闘スタイルは軍団員に任せてあるが、前衛後衛とバランスがとれるよう調整中。
演習をサボりがちなセロハンテープはキツく指導しているが、あまり話を聞いてくれない。
作業中は強面な顔が更に皺を寄せて濃くなるので近寄り難いオーラが出る。
ゾーンに入るまで少しの音も立てると怒鳴ってもくる。
はじめは気難しい印象を与えるが、臆病な性格が透けて見えてくるため意外と怖くなくなる。
完璧を装った強がりなことぐらいは今となってはその場の全員が知っているのだ。
生まれてすぐモノとして育成されたので、種族の特異能力は磨かれていない。
一応、透けたり浮いたりできるが、自発的にはできない。感情が強くなると半透明になったり、ジャンプした時の対空時間が長くなるくらいである。
なお、お化けとされている種族だがこの解釈のテレサは死者ではない。
日の光は少し苦手だったが慣れた。
奴隷制度をよしとしない人間の訴えにはあまり共感できないが、そうした人たちのためにも自分は役に立ちたいと思っている。
職人が個展を開いた時に、自分の絵を飾ってもらったことがある。
"ジャン=ピエール"という名はその時につけた雅号。
訪れた観客は、職人の作品と思ってその絵を賛賞していたが、
イロエンピツが描いたと知るやいなや、作品に対する言葉は嘲罵の意味に変わっていってしまった。
人間たちの、モノに対しての強い憎悪と、その時の職人の深い悲しみと怒りの表情が今でも忘れられない。
わゴムたちが島にやってきたのは、この頃からだった。
盾で身を守ることに特化しており、主にこの姿で生活している。その身や味方を守るだけの大きな盾を軽々と振り回し、相手を押し倒してバランスを崩させる。 色鉛筆の形をしたミサイルは、投げると巨大化して地面に突き刺さる。爆発はしない。ただの色鉛筆も間違えて投げる時があるが、殺傷能力があるのでこれはこれでよし。 戦闘用のスタイルではないので、使える技もあくまで護衛術に留まっている。
軍団を取りまとめる指揮官。演習時にしている格好で、主に後衛に立って戦う。軍団員に指示を下し、自らも武器を取って砲弾を打ち鳴らしているが、指示が明確に通ったことはあまりない。 自分はブンボー軍団のリーダーだと思っているしわゴムにもそう思われているが、他の自己主張が激しいあまり未だパーティの統率はとれていない。 そろそろ個性を尊重する傾向へ変えたほうがいいのかも知れない、と思案を巡らせている。
魔法力と機動力を鍛え、武器としていた盾はイーゼルに持ち替えた。
こちらはイーゼルもぶん投げてくる。もちろん、近づいてくる者にはミサイルを投げ打つことも忘れてはいない。
鉄壁であることも変わらず、圧倒する力で見えない壁を作り、ほとんどの武器攻撃は通さない。
自身の体力もそこそこあるので間合いを取られてもある程度耐えることができる。
攻撃と防御は同時に行えないため、味方ありきの戦闘方法となっている。
ミサイルという名の鷹を飼い慣らしている。空中戦を得意としており、ミサイルがターゲットを次々に撃ち落としてくれる。
イロエンピツ自身は、その場からあまり動かない。
なんのためにその肉体を鍛えているのだとハサミに指摘されたが、ミサイルを活かしたこの戦闘方法を貫きたいようだ。
もちろん接近戦も想定しているが、ミサイルほどの強さは無い。
オリー王の呪いで姿を変えられた際にこの鷹も12色の色鉛筆となってイロエンピツの中に収まってしまった。