他の軍団員と同じくヒトに化けたモノだったが、オリーが犬のようなペットをほしがっていたので、
ならば自分が、と誰にも頼まれていないのに自ら犬のガワを被るようになった。
もともと寡黙だったので犬としての生活になってからも大して苦労はしていない、それどころか楽しんでいる節もある。
軍団員もホッチキスのことはすっかり犬だと思うようになり、たまにヒトの姿になっているところを見ると一瞬誰なのかわからなくなる。
コミュニケーション方法は主にボディランゲージ。
ポーカーフェイスでありつつも、このブンボー軍団の中では一番表情豊かな文房具であるといえる。喋る時は敬語、もしくは犬語(?)。
オリー王から一番魔力を注がれて強化されたため、戦闘能力はあるのだが、穏やかな性格のせいで戦い自体を好まない。
ただし、来るべき時がくれば武器を構えることをためらうこともない。
番犬としてオリーを守護する役目の他に、ピーチ姫を見張っていた。
ピーチはオリガミになったことで少しだけ人格を歪まされていたが、優しい一面は同じようで、ホッチキスを本当の犬のようにかわいがっていた。
ホッチキスも、この人が妃となればきっとオリガミ王国は素晴らしい国となるはずだと考えていた。
オリガミ工房にいた頃はまだ意志が芽生えていなかったため、
ホッチキスにとってはオリーが初めての持ち主である。
オリーに忠実で従順な僕(しもべ)だが、
それ以上にかけがえのない感情を抱いて行動している。王国が建国されてからもずっと僕であり続けたいと思っている。
犬が欲しいというから犬になってはみたが、本来ならばヒトとして会話し目を合わせ手を取りたかった。
とはいえ、犬は犬で、オリーと同じくらいの目線になれるので良しとしている。
留める道具としてのつながりで、パンチがよく絡んできてくれる。
パンチはどの文房具とも絡んでいるのだが、
ホッチキスに絡んでくる文房具はパンチしかいないようだ。
オリーに迷惑をかけないならばなんでもいいので、特に気にすることなく傍にいてやっている。
パンチの勝手気ままなおしゃべりを適当に受け流しながら、
しかしパンチも喋るだけ喋って満足するので、二人の関係は平穏である。
オリーとオリビアが仲違いしていることを憂わしげに思っている。
オリビアを岩の下に沈めたと知った時は少し衝撃を受けたが、野望のためならば実の妹を排除することも厭わない王の姿は強く印象に残った。
そして、犬の自分では、ただの文房具である自分では、彼の荒んだ心をどうすることもできない事実をひどく怨むこととなった。
ピーチを城の一部にした時も、時間稼ぎのためにと戦場へ放り込まれた時も、
オリーがこちらを見ることはなかった。そして自分の死と共に運命を悟るのだった。
主に犬の姿で戦う。噛みついたり前足で引っ掻いたり、走る力もあるので動きもそれなりに素早い。 ヒトにトランスフォームしても戦うことができる。その時はアームで殴りかかったり、高く蹴りを入れたり、基礎的な格闘術を使う。 両手を広げて相手を挟めばその相手をオリガミにすることができる。作られたオリガミ兵も、ある程度自分の力で遠隔操作もできるのだが、疲れるので結局やらずに終わった。
動きやすさに特化した戦闘服で、これを着ていればある程度の戦闘では生き抜くことができる。頑丈な作りをしており、刃を通しても傷つかない性質をしている。
場慣れしていないので頭がおいついていないこともあり、動きにキレが無いこともある。だがそんな彼のためにオリーが携えた衣装でもある。ホッチキスは、全力でオリーの想いに応えたいので精進している。
こちらはヒトの姿になって戦う。頭が三つある幻獣‥‥のように見えるだけで肩の部分についているのはただの鎧である。
ただし、その鎧にも噛み付く力はあり、針も射出させられる。迂闊に手を出してはいけない。針に刺されればひとたまりもなく、ダメージは永遠と蓄積されていく。
手につけた長い爪で鋭く切り裂くことができる。ヒトではあるが動きは獣そのもので、四足歩行で突進もしてくる。ここまできても、やっぱり吠えることはない。
戦闘服の作用で力が暴走し、それを身につけている彼自身も凶暴化してしまった。
手当たり次第に物を投げつけたり、一心不乱に銃をかき鳴らして戦場を火の海に変貌させてしまう。金属のように硬いボディは外からの攻撃もほとんど封じ込めてしまう。
元の穏やかな彼の姿はどこにもなく、止めるためには銃弾の針を使い切らすか、力づくで動きを封じる他は無い。
それでも、荒れてしまった彼の人格を元に戻すことはできない。